福岡親善大使と行く!歴史・文化スポット巡り
福岡親善大使の皆さんと一緒に、福岡の歴史と文化を感じるまち歩きへ。定番スポットはもちろん、少しディープな情報まで、見逃していた景色をご紹介!次の休日は、ちょっとした非日常を味わいに福岡の歴史スポットにおでかけしませんか?
第6回は上田穂乃香さんと東区エリアをめぐります!
食と歴史と文化のまち 箱崎を巡る
古代から近代まで長い歴史をもつ箱崎エリアには、見どころがたくさん。食べ歩きやランチを楽しみながら、歴史を感じるスポットをのんびり巡りましょう。
下町ならではの温もりが、箱崎の街歩きをいっそう楽しいものにしてくれます。
歴史をつなぐ7つのアーチ【名島橋】(国登録有形文化財)
「名島橋」は、昭和8(1933)年に完成した鉄筋コンクリート造の七連アーチ橋で、全長は204.1m、幅は25.2mもあります。このエリアは、名島火力発電所や水上飛行場の開設など、近代化の最前線ともいえる場所であり、多くの技術者や作業員の力を結集して、当時としては型破りともいえるスケールの橋が建設されました。
7つのアーチが連なる姿はとても印象的。半円形の付柱やバルコニー、親柱の上にのった半球など、ところどころに施されたクラシカルな装飾が、どっしりしながらも優雅な雰囲気をつくり出しています。
その歴史的価値と美しい景観が評価され、平成30(2018)年に国の有形文化財(建造物)に登録されました。
多くの先人たちの夢や希望に想いを馳せながら、美しい「名島橋」をゆっくり歩いてみてください。
名島橋
- ■住所:
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福岡市東区名島2丁目から箱崎7丁目間
旧帝大時代からの箱崎の学生街を偲ばせる【大學湯(だいがくゆ)】(国登録有形文化財)
大學湯は、昭和7(1932)年創業の公衆浴場で、約80年にわたり地域の交流の場として親しまれてきました。福岡市東区箱崎の人々や、かつて周辺にあった九州帝国大学(現・九州大学)の学生にも愛され、近隣の一光寺に滞在した力士が利用したというエピソードも残っています。
老朽化が進み、惜しまれつつも一度は廃業となりましたが、建物を守り活用していくため、令和2(2020)年に一般社団法人DGYが設立されました。戦前の学生街の記憶を今に伝える貴重な遺産であり、歴史ある銭湯建築として、令和6(2024)年に国の有形文化財に登録されました。現在は多目的スペースとして貸し出しを行いながら、建物の保存と、地域に開かれた交流の場への再生をめざしています。
大學湯
- ■住所:
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福岡市東区3-17-24
- ■アクセス:
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地下鉄貝塚線 箱崎九大前より徒歩5分
JR 箱崎駅より徒歩8分
- ■電話番号:
- 092-711-4982 (福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課)
江戸時代から残る町家のぬくもりを感じて【旧柴田家住宅】(国登録有形文化財)
少し路地に入ると、古い町並みが見えてきました。ここ箱崎はかつて唐津街道沿いの宿場町として栄え、今なお旧街道沿いには古い町家(博多町家)が残されています。
博多町家は間口が狭く、奥が長い造りが特徴で、「うなぎの寝床」と例えられています。敷地の片方に「店の間(表の間)」「中の間」「座敷」が奥に向かって一列に並び、その傍らを細長い通り庭(土間)でつなぐ構成が一般的です。
この地区は江戸時代から筥崎宮の神事に用いる杉板曲物(すぎいたまげもの)の製作が盛んだったそうです。旧柴田家住宅も曲物製作を営む町家として、大正前期に建設されました。曲物製作自体は昭和初期に終了しましたが、その後も住宅として利用され、現在は子孫の方が飲食店「筥崎とろろ」を営みながら、大切に守っています。古い町家ならではの、どこかホッとする雰囲気を感じられます。
旧柴田家住宅
- ■住所:
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福岡県福岡市東馬出5-12-9
- ■アクセス:
- 地下鉄貝塚線 馬出九大病院前より徒歩5分
【箱嶋家住宅】(国登録有形文化財)
旧柴田家住宅から徒歩3分、同じく国登録有形文化財の博多町家、箱嶋家住宅が見えてきました。箱嶋家住宅は、明治5(1872)年に建てられ、かつては「箱嶋茶舗」として営業していました。
屋内はベンガラ漆塗が美しい欄干(らんかん)や箱階段を設けた吹き抜けの「中の間」、客間として格式を高く良質な材で設えた「座敷」が保存され、通り庭には家の守り神である荒神様(こうじんさま)が祭られています。
現在内部の一般公開は行われていませんが、旧柴田家住宅とともに、筥崎宮の門前町、さらには唐津街道の宿場町としてにぎわった往時をしのばせます。
箱嶋家住宅
- ■住所:
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福岡県福岡市東区馬出2-662
- ■アクセス:
- 地下鉄貝塚線 馬出九大病院前より徒歩5分
厄除け・勝運の神さま【筥崎宮】
延長元(923)年、醍醐天皇の勅命により穂波郡(ほなみぐん)大分八幡宮(だいぶはちまんぐう)から移設されたのが創建とされています。主祭神は応神天皇(おうじんてんのう)で、神功皇后(じんぐうこうごう)、玉依姫命(たまよりひめのみこと)をあわせて祀っています。
中世には対外交流の拠点として栄え、元寇の際には神風の伝承とともに厄除・勝運の神として広く信仰を集めました。「筥崎鳥居」と呼ばれる一の鳥居は初代福岡藩主黒田長政によって慶長14(1609)年に建立。大きな屋蓋が目を引く楼門は小早川隆景が文禄3(1594)年に再建、さらに本殿と拝殿は大内義隆が天文15(1546)年に再建するなど、多くの武将にも崇敬されていました。これらの建造物はすべて、国の重要文化財に指定されています。
楼門に掲げられる「敵国降伏」は、亀山上皇の宸翰(しんかん:天皇直筆の文書)をもとに復元されたもので、武力ではなく徳によって導くという意味が込められています。現在も多くの参拝者でにぎわう神社であり、「放生会」(9月)や「玉せせり」(1月)は博多の風物詩となっています。
筥崎宮の手水舎横には、パワースポットとして知られる「湧出石(ゆうしゅつせき)」があります。国に一大事があるとき地上に現れると伝わる霊石で、現在は触れると「運が湧く」とされ、多くの参拝者の信仰を集めています。室町時代の古図にも描かれており、古くから境内に存在してきた石です。
筥崎宮
- ■住所:
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福岡市東区箱崎1-22-1
- ■アクセス:
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地下鉄貝塚線 箱崎宮前より徒歩5分
JR 箱崎駅より徒歩8分
鳩太郎商店
この日は筥崎宮の鳥居を出てすぐの鳩太郎商店でランチ。店内は畳や掘りごたつでゆっくりとくつろげる空間のなか、クラフトビールや甘味、歴史にちなんだお食事を昼夜問わず楽しめます。一階のテラス席からは、筥崎宮が一望できます。
筥崎宮の周辺には、80軒以上のお店があり、下町らしい活気にあふれています。グルメや雑貨など、ここにしかない個性的なお店が勢ぞろい!お出かけ前には、ぜひHPをチェックしてみてください。
箱崎商店街
名島橋や筥崎宮、風情ある住宅や銭湯、そして商店街の味わいまで、箱崎には歩いてこそ出会える魅力が詰まっています。ゆったりと歩きながら、歴史の奥深さに触れてみてください。
今回巡ったスポット一覧
- ・名島橋
- ・大學湯(だいがくゆ)
- ・旧柴田家住宅
- ・箱嶋家住宅
- ・筥崎宮
- ・箱崎商店街(鳩太郎商店)