福岡親善大使と行く!歴史・文化スポット巡り

福岡親善大使の皆さんと一緒に、福岡の歴史と文化を感じるまち歩きへ。定番スポットはもちろん、少しディープな情報まで、見逃していた景色をご紹介!次の休日は、ちょっとした非日常を味わいに福岡の歴史スポットにおでかけしませんか?

Exploring Fukuoka with the Goodwill Ambassadors!
2024・2025福岡親善大使(上田穂乃香さん〈写真左〉、高橋彩夏さん〈写真中央〉、國﨑成美さん〈写真右〉)

第4回は上田穂乃香さんと弥生時代の生活を体験します!

「福岡弥生4大遺跡を巡る旅」

現在の福岡の街が形づくられる、はるか昔。この地では、川のそばに集落が生まれ、田んぼが開かれ、人々の暮らしが営まれてきました。今回は、弥生時代の福岡の歴史をたどるまち歩き。史跡をめぐりながら、山や川、土地のかたちに目を向けると、見慣れた景色がいつもと違って見えるはず。自然とともに生きてきた人々の足跡をたどりながら、いまの風景の中に残るかつての記憶を発見する時間。福岡の街が持つ奥深い歴史と人々の物語が、きっと身近に感じられるはずです。

日本最古級! 稲作はじまりの地【板付遺跡】(国指定史跡)

福岡市博多区にある「板付遺跡」は、日本で最も早く稲作が始まった場所の1つとして知られる、歴史好きにはたまらないスポット。福岡平野の中央より少し東、御笠川と諸岡川に囲まれた、標高約12メートルの小さな台地を中心に広がる遺跡です。
台地の上には、集落をぐるりと囲む「環濠」と呼ばれる溝がめぐらされており、その内外には、米や食料を貯蔵するための穴が数多く見つかっています。
そして、板付遺跡最大のポイントが、稲作のはじまりを物語る水田。旧諸岡川から水を引く用排水路や、井堰、水の出入り口まで備えた水田は、稲作とともに、高度な土木技術が大陸からもたらされていたことを示しています。
弥生時代前期の終わりごろになると、板付遺跡は北部九州でも有数の大集落へと成長。大正5(1916)年には、環濠の南東側から甕棺墓(かめかんぼ)という北部九州特有の棺が発見され、中からは銅剣や銅矛が出土しました。
縄文時代から弥生時代に移り変わるころの集落や水田、墓地がまとまっている板付遺跡は、弥生時代の暮らしを知るうえで欠かせないスポット!
現在は竪穴式住居や水田が復元され、春には田植え祭、秋には収穫祭が行われています。

復元集落ゾーンから道路を挟んで西側にある板付遺跡弥生館では、遺跡から出土した土器や石器などの展示のほか、火起こし体験や石包丁を使った当時の稲刈り体験ができます。
館内中央には、当時の風景を再現した大きなジオラマも!弥生時代の自然環境や人々の生活を想像しながら見学してみてください。

板付遺跡

■住所:
福岡市博多区板付二、三丁目
■営業時間:
9:00~17:00(最終入館16:30)
■休館日:
12/29~1/3
■電話番号:
092-592-4936

弥生の霊園【金隈(かねのくま)遺跡】(国指定史跡)

展示館に隣接する「弥生の森」は、お散歩スポットとしても人気。

福岡空港のすぐ近くにある史跡公園「金隈遺跡」。ここは、弥生時代の共同墓地として知られる遺跡です。現在は遺跡の一部をそのまま残す形で展示館が建てられ、館内には甕棺や人骨が見つかった状態のまま保存されています。発掘現場をそのまま覗くように見学することができ、非常に見ごたえがあります。

金隈遺跡があるのは、標高約30メートルの丘の上。甕棺墓(かめかんぼ:大きな甕形の土器を用いた棺)348基、土壙墓(どこうぼ:地面に穴を掘って直接遺体を埋葬するお墓)や、石棺墓2基など、弥生時代の前期から後期にかけて、約400年間のお墓が大量に出土しています。なかでも興味深いのが、お墓の「変化」。最初は土壙墓、次に甕棺墓、そして最後に石棺墓へと、時代とともに埋葬の方法が変わっていったことがわかっています。

さらに、甕棺墓から見つかった136体分の人骨を調査すると、当時の平均身長は男性約162.7cm、女性約151.3cm。ひとつ前の時代である縄文時代の人々と比べると、数cm高くなっています。顔立ちも面長に変化し、大陸の人々の容姿に近づいていることがわかりました。稲作や大陸の進んだ技術を日本列島にもたらした渡来人との混血が進んだ結果と考えられます。

副葬品としては、種子島からオーストラリア周辺の海にしか生息しないゴホウラ貝で作られた腕輪や、石で作られた剣や矢じり、玉の首飾りなどが見つかっており、中国大陸や南方文化とのつながりも感じられます。こうした調査成果から、金隈遺跡は弥生時代人の姿や交流、埋葬方法を知るうえで欠かせない遺跡として評価され、昭和47(1972)年に国指定史跡となりました。空港のすぐそばに、こんなにディープな情報が埋まっていたなんて、驚きですね!

金隈遺跡

■住所:
福岡市博多区金の隈1-39-52
■アクセス:
西鉄バス 金隈遺跡前から徒歩5分
■営業時間:
9:00~17:00(最終入館16:30)
■休館日:
月曜日(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
■電話番号:
092-503-5484

最古の王墓!?【吉武高木遺跡(やよいの風公園)】(国指定史跡)

福岡市西区にある国史跡「吉武高木遺跡」。現在は「やよいの風公園」として市民の憩いの場になっていますが、実は弥生時代のすごいお宝が発見された場所なのです!

もともとは水田や農地だったこの一帯。畑仕事の合間に土器や石器が見つかることもあり、「もしかして遺跡が眠っているのでは?」と考えられるようになりました。発掘調査を始めると、約40ヘクタールの範囲内に、旧石器時代から江戸時代までの複数の遺跡が確認されました。現在「吉武遺跡群」と呼ばれるこれらの遺跡の中心となるのが、弥生時代中期(約2,000年前)を中心とする「吉武高木遺跡」です。

吉武高木遺跡からは、大きな掘立柱住居やたくさんの甕棺墓が見つかっていますが、特に注目されるのは3号木棺墓。大きな木の棺の中に、当時非常に貴重であったヒスイ製の勾玉と青銅製の剣、鏡が副葬されていました。「三種の神器」とされる勾玉、剣、鏡のセットが確認される最古の例として、「最古の王墓」と称されています。

文化庁所蔵・福岡市博物館収蔵

現在、公園内には当時の地形や植生が再現され、出土した銅剣や鏡、甕棺などの実物大レプリカが展示されています。
お散歩気分で園内を歩きながら、「最古の王墓」「甕棺ロード」「大型建物」などの展示・解説コーナーを見て、感じて、学べるのも魅力!公園内にはコスモス畑も整備され、秋にはコスモス祭りが開催されています。

吉武高木遺跡

■住所:
福岡市西区大字吉武(西部運動公園から南へ約600m)
■アクセス:
西鉄バス 「田村一丁目」より徒歩約15分
■営業時間:
9:00~17:00
■電話番号:
092-711-4666 (福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課)
■公式ホームページ:
https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/yoshitaketakagi/

弥生時代から古墳時代へ【野方遺跡】(国指定史跡)

弥生時代後期から古墳時代前期、今からおよそ1800〜1700年前に栄えた大規模な集落跡が「野方遺跡」。
調査の結果、弥生時代には大小2つの環濠をもつ集落が営まれていたことが判明。内部には10軒ほどの竪穴住居が並び、25〜30メートル四方の区画には東側に出入り口が設けられていました。また、高床式の倉庫も確認され、穀物などを計画的に保管していたと考えられています。
古墳時代前期になると、環濠は埋まり、集落はさらに拡大。現在発掘されている部分は遺跡のほんの一部ですが、それでも100年余りの短い期間に、約100棟の竪穴住居が建てられていたことが確認されています。大昔、たくさんの人々がここで暮らしていたと思うと、なんだか不思議な気持ち…。

集落の外れには墓地がまとめてつくられ、石棺墓や木棺墓が確認されています。墓からは、中国製の鏡(獣帯鏡・内行花文鏡)をはじめ、鉄製の刀、管玉、ガラス玉などの装身具が出土。これらのお墓に葬られた人物が、この集落を治める有力なリーダーであったことを示しています。

こうした発掘成果を受け、野方遺跡は昭和50(1975)年に国指定史跡となりました。現在は展示館の中に弥生時代と古墳時代の住居跡が発掘当時さながらの姿で保存・展示されています。竪穴住居は知っていても、どのような形で発掘されているのかまでは知らない方も多いのでは!?室内展示のため、雨の日でもOK!福岡の歴史を少し深掘りしたいときに、ぜひ立ち寄りたい史跡です。

野方遺跡

■住所:
福岡市西区野方5-11-25(野方遺跡住居跡展示館)
■アクセス:
西鉄バス 「野方遺跡前」すぐ
■営業時間:
9:00~17:00(最終入館16:30)
■休館日:
月曜日(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
■電話番号:
092-812-3710

福岡の「いま」をパノラマで感じる【油山片江展望台】

旅の締めは、福岡市の市街地が一望できる「油山片江展望台」へ。
標高597m、福岡の街を一望できる油山の中腹に位置する展望台です。弥生時代から現代へ、2,000年を超える時の流れが感じられて、とても感慨深いですね。 片江展望台のそばには、キャンプや自然を生かしたアスレチックなどのアクティビティや、バーベキューが楽しめる「ABURAYAMA FUKUOKA」もあり、リフレッシュするにはぴったりの場所です。

油山片江展望台

■住所:
福岡県福岡市城南区大字片江
■アクセス:
西鉄バス「油山団地」から車で約3分 駐車場・トイレ有
■電話番号:
092-711-4984 (福岡市地域観光推進課)

今回ご紹介したのは、どれも日本の弥生時代を知るうえで非常に重要な遺跡です。多くの謎が残る弥生時代ですが、それらを知る手掛かりは福岡市の各地にまだ埋まっているのかも知れません。遺跡を巡りながら、弥生時代の人々の暮らしに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

今回巡ったスポット一覧

  • ・板付遺跡
  • ・金隈(かねのくま)遺跡
  • ・吉武高木遺跡(やよいの風公園)
  • ・野方遺跡
  • ・油山片江展望台